最先端の情報処理
ビジネスと社会は、新しい情報処理の時代に入っています。シリコンはその限界に近付いており、多くの情報処理上の問題は未解決のままです。サステナビリティの実現や、エネルギーを大量消費する情報処理の代替手段を見つける必要性が、社会全体を変えつつあります。
そうした変化への対応策も、生まれ始めています。最先端の情報処理技術は、パフォーマンス、コスト、電力消費を革命的に変化させていきます。当社は、古典的なアプローチと新規シリコンアーキテクチャ、量子、光、生体、ニューロモーフィックコンピューティングが組み合わさった、ハイブリッドな新未来にお客様が備えることができるよう、サポートしています。技術的なパフォーマンスと事業価値は、驚くべき進化を遂げるでしょう。
当社の提供価値
当社は、お客様が目標を達成するために必要な、高度な情報処理機能を特定し、それをお客様のニーズに合わせて調整するためのサポートを提供できます。当社は、数十年にわたり、お客様のために世界初の情報処理技術を開発し続けており、当社の専門知識は、こうした実績に基づくものです。また、未来の技術に関する実用的な研究にも投資しており、お客様の戦略的計画を支援するとともに、手元の機会を影響力の大きいハイブリッドな製品・サービスへと育て上げるための情報も提供しています。
斬新なシリコンアーキテクチャ
斬新なシリコンアーキテクチャは、AIの力を真に活用し、ユーザー体験を向上させます。秘訣はその構造にあります。基本的な電子部品(トランジスタやダイオードなど)のサイズ縮小には物理的な制約があるため、シリコンベースのエレクトロニクスの未来は、多層設計に依存するでしょう。これまで、これらの基本部品は単層のウェハーで製造されてきましたが、近年では、より速く、小型で低価格のチップを実現するため、多層デザインが検討されています。
AI負荷のための超低電力情報処理は、ますます重要性を増しています。ケンブリッジコンサルタンツは、この分野における長年の経験を活かし、柔軟で効率的な低電力IPブロック、FPGAソリューション、カスタムASICを可能にするDSPコアを作成するための内部エコシステムの開発に貢献しています。また、チップレットと3D異種統合も積極的に開発しています。
フォトニックコンピューティング
ほとんどの情報処理は、データを処理するために電子に含まれるエネルギーを利用しています。フォトニックコンピューティングは、これらの電子を光子に置き換え、光波を使用してデータを処理および保存します。光は最速であるため、理論的には、フォトニクスは遅延を最小値に抑える、電気よりも優れた情報処理媒体となります。
原理的には、光の速さでビットが移動するため、従来の情報処理に比べて10~50倍の帯域幅向上が実現できます。また、処理能力を向上させたい場合、従来の電子情報処理では電力供給を増やす必要がありますが、光学情報処理ではその必要がないため、10倍のエネルギー効率向上が可能です。
この分野におけるケンブリッジコンサルタンツのイノベーションは、医療画像用の光子チップ開発の経験に基づいています。当社は現在、高速で低遅延および低消費電力を実現するためのシリコンフォトニクス集積回路(PICs)の開発に取り組んでいます。
生体コンピューティング
情報を生体細胞に書き込んで保存することは、持続可能で信頼性の高い情報処理の発展を加速させるでしょう。CATALOGとケンブリッジコンサルタンツが共同で開発したDNAストレージマシンは、2020年、英語版WikipediaをDNAにエンコードするという画期的な進歩を実現し、速度、スケール、正確性の面で成功を収めました。
生体コンピューティングは、DNAやタンパク質などの生物由来の分子を使用します。ナノバイオテクノロジーの進歩により、生きた細胞をプログラムし、特定の化学的インプットに対して予測可能な方法で反応できるようにする方法が発見されました。初期段階ではコストと労力がかかりますが、その後の数十億個の細胞の育成において非常にコストパフォーマンスが高くなります。
こうした当社の開発事例が示すように、情報をDNAに書き込むことで、非常に安価な方法で、膨大な量のデータを小さく受動的な形で保存することが可能になります。また、この方法は、シリコンよりもエネルギーコストを削減できます。データセンターのエネルギー使用量が4年ごとに倍増する中、生体コンピューティングは、より持続可能な未来を約束するものと言えます。
量子コンピューティング
量子コンピューティングは、電子が、物質粒子または波として同時に機能できる物理現象に基づいています。この特性は、情報をバイナリビット(0または1)の形式で保存および処理するという基本的な発想を変え、代わりにキュービット(0から1までの任意の数)を使用します。粒子は無限の状態のいずれかの数を表現し、無限に異なる方法で他の粒子と相互作用することができます。
量子コンピュータは、従来の情報処理よりも非常に複雑な問題を、より速く解決できるポテンシャルを有しています。これは、ビジネス上、非常に大きな利益につながることを示唆します。現在当社では、お客様がビジネス化の戦略を計画できるよう、アドバイスを提供しています。可能性の探索から社内理解が得られ、それにより革新的な事例が生まれ、価値のある先発企業という他社より有利なポジションを得ることができます。
ニューロモーフィックコンピューティング
人間の脳の神経系を模倣するという、生物学にインスピレーションを得たニューロモーフィックコンピュータの出現は、驚異的なパフォーマンスとエネルギー効率を約束するものです。ニューロモーフィックコンピューティングは、低電力エッジAIアプリケーションに適しています。スマートビジョンシステムから自律型ロボットまで、価値の高い、あらゆる新規商業アプリケーションの実装に役立つと予想されます。
ニューロモーフィックコンピュータは、従来の情報処理とは異なり、連続的なデータ処理を使用していません。神経細胞が情報を処理する方法を模倣し、スパイクが1つまたは複数の神経細胞を刺激することで他の神経細胞を活性化します。このアプローチでは、人工のシリコン神経細胞を使用してスパイクニューラルネットワーク(SNN)をイベントトリガー情報処理を実行します。これにより、特定された一連の神経細胞と相互接続のための、並行およびターゲット指向の処理が可能になります。
超低電力動作は、SNNがほとんどの時間を「オフ」モードで過ごし、変更または「イベント」が検出されたときにのみ作動することで実現されます。一度アクションが開始されると、大量の並行操作(1000以上のCPUが並行して動作するのと同等レベル)がトリガーされるため、電力を大量に消費する高速計算処理をせずに済み、同じワークロードに対するCPU/GPUと比較して、わずかな電力しか消費しません。
当社のサポート
戦略、計画、およびマネジメント
当社の高度なコンピューティング戦略、計画、およびイノベーションマネジメントサービスは、豊富な経験に基づいて提供されています。ケンブリッジコンサルタンツは、これまで60年以上にわたり、コンピュータ技術のパイオニアを務めてきました。新しいプロセッサやSOC(システムオンチップ)の採用から、カスタムシリコンチップやプロセッサの開発まで、様々なブレークスルーを創出しています。
高性能処理とASICs
当社は、独自の知見と経験を活用して、お客様向けに超低電力で低コストのAI対応デバイスとシステムを作成しています。FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)を使用した高性能信号処理の専門家として、1秒間に数千億回の計算を実行する計算を実現できます。また、DSPコア作成のための内部エコシステムを活用して、低電力で柔軟なIPブロック、FPGAソリューション、そしてカスタムASICの作成を可能にします。
組み込みシステム
スマートセンサー、クラウドサービス用の安全なインターフェース、遠隔ソフトウェアアップグレード、無線通信を介した送金、および先進的なロボット倉庫の制御システムなどへのアプリケーション開発を行っています。
おすすめのインサイト
専門性
エレクトロニクスは、当社が開発する製品のほぼすべてにおいて核となる技術で、これによりスマートなデバイスが実現し、外部システムとの通信やアクションの実行が可能となります。
エレクトロニクスの開発技術は1960年の設立当初から当社のコア技術で、当社の技術コンサルタントは、1980年代後半からはASICの開発も手掛けています。
ケンブリッジコンサルタンツのエレクトロニクス設計に関するコンサルティングは、ICや組み込みシステムから電源やアナログ回路まで幅広くカバーし、性能、コスト、サイズ、効率の限界を押し広げています。
当社では、多数のアプリケーション向けに光学ソリューションを開発しており、これには、低ノイズの蛍光撮像技術、光ファイバーセンシング、高精度の分光技術と干渉法、フォトニクス、流体光学、センサーシステムなどが含まれます。
ケンブリッジコンサルタンツでは、高度な光学技術やアルゴリズムを駆使し、車のモニタリングから複雑なロボット制御まで、高度なマシンビジョンの課題を解決しています。医療セクターでは、当社の顕微鏡検査と光干渉断層法の技術が大きなブレークスルーを創出しています。
当社は、最新のテクノロジーと機器に継続的な投資を続けており、世界トップレベルの学際的な専門性との組み合わせにより、ディスプレイとイルミネーションにおける飛躍的なブレークスルーを、さらなる小型化とともに達成しています。
当社では、物理学と化学における専門性が、すべての事業の基盤となっています。 当社の技術コンサルタントは、マテリアルサイエンスに関する深いノウハウと、様々な素材の構造や構成に関する正しい知識を駆使し、システム内のあらゆる構成要素に最適な材料を選定します。
当社では、複雑な流体挙動や物理界面での挙動を高い精度で予測することができます。このマイクロ流体力学に関する専門性は、多数のプロジェクトにおいて非常に重要な役割を果たしています。相変化材料や飲料システムにおける高温や低温の液体の扱いにおいては、特に多くの実績を有しています。
ケンブリッジコンサルタンツは、AIとその応用に関して深い見識を備えています。ベイズ推論、リアルタイム信号処理、データ解析などにおいて広範な専門知識を持ち、予測分析、深層学習、エッジAI、共感性AIといった幅広い分野の技術スキルと組み合わせることができます。
当社のコンサルタントは、ヒューマンマシンインタフェースの限界に挑み、エッジAIのユースケース、生成AIモデル、新規の教師あり機械学習モデル、そして多種のデータ解析手法などを開発しています。
当社の手がけるプロジェクトは、無人航空機、合成バイオ、遠隔モニタリングシステム、テレコミュニケーションなどの分野で先端領域を切り拓いています。
施設
電子機器製造ケンブリッジコンサルタンツの製造設備はフレキシブルで目的に応じて迅速に対応できるため、電子機器やメカトロニクス機器の製造に最適で、短い生産工程から高品質生産まで対応可能です。 当社では、業界の標準的な機器を使用して社内でPCBAを製造できるため、設計中に製造性の確認もできます。また、社内にEPD(環境製品宣言)の評価設備を備えているため、開発作業を通じてeCADでDfX活動を推進し、テスト結果を早期にデザインプロセスへフィードバックできます。 |
光学ラボ当社の光学ラボでは、複雑で精度が高い光学レイアウトの構成が可能で、プロトタイプ設計や新技術を本実装に先立って確認できます。 ラボには6基の高品位光学ベンチがあり、高出力(クラス4)レーザー作業用の管理区域は連動・構成変更が可能で、干渉法、分光学、低ノイズ蛍光撮像、光子計数などの専用設備を備えています。 このスペースはレーザー管理区域を区分できるため、複数の実験を並行して実施することが可能で、光学担当の技術者は設備や機器の制約に縛られずに、自由にソリューションを開発できます。 |
物理科学ラボ当社には、ウェットラボとドライラボがあり、物理科学に関する多様な研究や開発が可能です。ラボには、ウェットベンチとドライベンチ、換気フード、Malvern Mastersizer粒子分析システム、UV-VIS分光計などの設備を備えています。 また、様々な種類の有機物質をppm(百万分率)以下のレベルで検出し化学分析できる専用の機器も備えています。こうした設備により、多様な有機物質の組成を個体、液体、気体の状態にかかわらず判定し、味覚や香りに関する化学分析を行うことができます。 |
AIインフラストラクチャケンブリッジコンサルタンツは、社内に総合的な計算インフラストラクチャを保有しているため、様々なオプションの検討や、モデルのトレーニングと検証を短時間で実施し、より良い成果につなげることができます。 当社のオンサイトにはペタフロップ規模のコンテナ化された計算資源があり、複数台のNVIDIA DGX-1ディープラーニング・スーパーコンピュータや、その他のGPU、FPGAアクセラレーターを使用したサーバを備えています。この計算資源には、ペタバイト規模のローカルなNetAppストレージや個別プロジェクト用のクラウド、継続的インテグレーションサーバーが接続されています。 |